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くすりのリスク

~※くすりの基本的知識※~

日はくすりのリスクというテーマになっておりますが、皆さんが健康を維持するために、時として必要になるお薬について有効で安全に使用して頂くためにはどのような事に注意して頂きたいのか、実際に私が薬局で出会った問題のあるお薬の飲み方や知っておいて頂きたい薬の副作用についてお話させていただきます。お話の内容ですが、1番目には薬の基本的知識では体内に入った薬はどうなるのか、正しい服用方法やその意味についてお話します。 2番目に 薬の副作用について、今回は皆さんにあまり知られていない重篤な、危険な副作用についてお話します。そしてそれらの副作用を回避するにはどのような事に注意すべきかもお話したいと思います。3番目にお薬手帳の役割ということで私たちは皆さんが見せてくださるお薬手帳で何を確認しているのかお薬手帳の果たす役割についてご説明したいと思います。4番目5番目は薬を服用する時の注意点や疾病予防のための日常生活における注意点をQ&Aを中心に考えながら進めていきたいと思います。最後に最近報告の上がっている薬の保管に関する注意点をお話いたします。

目次

健康寿命とは?

 
皆さん、健康寿命という言葉を耳にされたことがあると思います。日本は少子高齢化となり今後は超少子高齢化といえます。これに対応するために厚生労働省は健康日本21の中で健康寿命に着目しています。健康寿命とは介護を受けたり病気で寝たきりになったりせずに自立して健康に生活できる期間のことで何歳まで元気で過ごせか、という訳です。これは2010年のデータですが男性の平均寿命は79歳、しかし健康に生活できた年齢は70歳 その差の約9年間は病気で寝たきりになったり介護を要した期間という訳です。国としてもこの差が拡大すれば医療費や介護給付費の消費が増大することになるわけで、疾病を予防して健康を増進し健康寿命を延ばすことが課題です。

では今、皆さんは健康ですか?

健康、長寿 これは人間誰しも求めるもっとも大切な事だと思います。
では健康とはどのような状態をさすのでしょうか。
WHO世界保健機関ではこのように謳っています。
「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気あるいは虚弱でないことではない。」
健康とは病気や虚弱でないことだけではなく、身体の調子がよく、精神的に安定していて、社会生活に問題がない状態と言えます。

それでは、もし病気になった時の対処法は!

人間誰しも体調を崩して病気になることはあると思います。では病気になっ
たらどうするでしょう。私たちの体には病気を予防したり、病気や怪我などから回復するための力=自然治癒力が備わっています。
例えば風邪を引いたけど薬を飲まないでぐっすり眠ったら翌日には症状が軽くなっていたなんてことを経験したことはありませんか。
また怪我をしても水道水で綺麗に洗って清潔にしておけばかさぶたが出来て自然に治ったなどということがあると思います。
バランスのとれた食事と睡眠が十分とれていれば自然治癒力は発揮できるのです。それでも治らないときに初めて薬をつかったり、病院へ行ったりします。薬は自然治癒力の補助をしたり、病気の原因を取り除いたり、症状を和らげたりして、健康を取り戻すのに役立ちます。 

薬の基本的知識

ではここからは今日の本題の薬の話に行きましょう。

私たちが薬を口に入れると体の中をどのように移動して排泄されていくのでしょう。
次の図で見ていきましょう。

では、薬はなんで聞くのかな?

ではここからは今日の本題の薬の話に行きましょう。
私たちが薬を口に入れると体の中をどのように移動して排泄されていくのでしょう。
次の図で見ていきましょう。
口から飲んだ薬は、食道を通って胃に入りほとんどの薬が溶け出します。そして小腸に行き、小腸粘膜から吸収されて血液に入り全身を巡ります。その後肝臓に運ばれ、肝臓の酵素の働きで分解解毒されます。本来からだにとっては異物である薬は形を変えようとするのです。これを代謝といいます。また血液を巡る中で目標となる患部にたどり着いてそこで初めて本来の薬としての効果を発揮します。薬が働く場所は全身の細胞です。細胞内で薬理作用を発揮した薬は肝臓で代謝されて腎臓から尿として、大腸から便として排泄され、一定時間内には体内から徐々に消失していきます。
お酒に強い人と弱い人個人差があるように、肝臓で薬物を代謝する酵素によ
り薬の代謝にも個人差があるため、同じ薬を服用しても効果の出方や副作用
の出方が異なるのは代謝酵素の遺伝的な違いによる場合もあります。
また高齢になり肝機能や腎機能が低下した人は薬の代謝、排泄が悪くなるため副作用が出やすくなり注意や必要です。
 
 
薬はこのように吸収、分布、代謝、排泄と体を移動するのですが服用方法にはどのような服用方法があるでしょうか。
 
 

薬の飲み方について質問

答えは

答えは×になります。
「あいだ」はスキマという意味がありますので、食事をしている間と感じる場合がありますが、お薬を飲む「食間」は、食事と食事の間という意味で、食事を終えてから、約2時間後が目安になります。
食事をしてから2時間経つと、胃の中のものがほとんどなくなり、空腹な状態になります。
食事によって、薬の働きに影響が出る場合は、この食間に服用することを勧める場合があります。
漢方薬や、一部の胃粘膜保護剤が該当します。

まとめると

続いてもう一問

答えは

おおよそ×です。
おおよその場合、飲むタイミングを食事に重ねているだけということが多く、時間を空けることで、服用が可能です。食事によって吸収が良くなる場合や、胃に対しての負担がかかる場合もありますので、くすりに応じた服用方法を薬剤師に確認しておくと、飲み忘れた時などの対応もしやすくなります。
食事の回数で服用を考えないといけない薬に一部の糖尿病薬がありますが、食事回数が減った時の服用方法についてなど薬剤師が、薬を渡す時に説明することになっています。
このような、特に注意が必要なお薬は、患者さんの安全性の確保のため、副作用の早期発見や使用状況など、いくつかの確認事項が厚生労働省からでており、薬剤師が薬を渡す時に確認することになっています

答えは

薬の正しい使い方とは?

薬の使い方には、用法・用量というのがあります。
「いつ飲むか」… 食前、食間については、飲み方を厳守して欲しいことがほとんどです。食後に関しては、タイミングを食事に当てているだけの場合がほとんどですが、薬によっては確認が必要です。
「何回飲むか」… 服用回数は、基本的に厳守して頂きたいのですが。飲み忘れた場合や、糖尿病で食事の状態が変わった時は、その状態に合わせた服用をする必要が出てきます。
「飲み方は」… コップ1杯程度の水かぬるま湯で服用することが一番良いです。お茶で服用しても大丈夫な場合が多いのですが、薬は溶けて吸収されるため、不純物が少ない水の方が適しています。
料理で鰹節などからダシをとる場合も、外国で採れる硬水よりも、日本の軟水の方が、ダシが良く取れます。それと同様に、薬の成分も軟水の方が、効率よく溶け出すことが出来ます。
最近は、ミネラルなどの不純物を除去した硬度ゼロの水も市販されています。

なぜ薬には用法用量が決められているのでしょうか?

それには血液に溶けている薬の濃さ、つまり血中濃度と深く関係してきます。
◎薬は適切な効果が得られるように用法用量が定められています。
早く効いて欲しいので2倍服用すると効果が2倍になるのではなく副作用が出てしまうのです。
私の薬局で抗癌剤を8時間おきに服用中の方が、ある日全身に痒みを伴う発疹が出て皮膚科を受診されました。
私は、指示を守って薬を服用されておられましたか?と質問したところ、実は・・と服用したかどうかを忘れてしまい、服用していないような気がしてきて何度かまた2時間後に服用したんだよね、と話されました。まさにこの中毒域に達して副作用が起きたわけです。このように服用したかどうか忘れてしまう、また服用を忘れるということは皆さんご経験があるかと思いますが服薬日誌をつける、ヒートに服用日を記入する、また1包化というのですが服用時点ごとにまとめてヒートから出して分包し服用日を記載するなどの解決策はどちらの薬局でも提案できますのでどうぞご相談頂きたいと思います。

マメ知識

それでは、血中濃度に関する問題を考えて見ましょう!

答えは

胃に刺激的な薬、胃酸で効果が弱くなってしまう薬は、腸で溶けるように保護されている場合があります。また、ゆっくり溶け出すようにして、長い効果を持たせているお薬もあります。これらのお薬を、割ったり砕いたりしてしまうと、お薬の効果が効き過ぎたり、効かなかったり、または副作用が強く出たりして健康を害することがあります。お薬をかみ砕いたり、割ったりする前に、薬剤師に相談して下さい。大きすぎて飲みにくい時などは、ラムネみたいに唾液で溶ける薬、粉薬、シロップなどに変更が可能かもしれません。

まとめると

ここまで、飲むお薬の話をしてきましたが、お薬には外用薬というのもあります。

外用剤の使い方は、飲む薬以上にいろいろありますが、ここでは、注意点や特徴について少し考えてみましょう。
皆様は、普段どのように点眼液を使っていますでしょうか?

では、質問です。

答えは

瞬きは薬を広げる働きをするように感じるので効果的に感じますが。
答えは×になります。
瞬きは車のワイパーのような働きがあり、涙などを目頭の方に集めて、そのまま喉の方へと流します。
点眼した目薬も、同様に流れていくので、瞬きで目全体に広がるのではなく、薬が目に落ち着く前に洗い流してしまうことになります。点眼後は静かに目を閉じて、目頭を1分ぐらい押さえていると効果的です。
うまく点眼できない方は、点眼補助具を使用すると便利です。

まとめると

覚えておくと便利です

正しい点眼方法とは

花粉症は、目に症状の出ている方も多く、抗アレルギー剤の点眼薬を使用するケースも多かったです。花粉症の症状で、目薬の効きが悪いと感じた時は、この方法を参考にして使用してみてください。より効果的に薬を使用することが出来ます。

他の外用薬では?

冬は、感染性胃腸炎(ノロウイルス)による嘔吐症状が多く、坐薬を使用された方も多かったです。そんな坐薬に関する事で一つクエスチョンです。

では、ほかの外用薬では

答えは

答えは○です。
坐薬は、内服薬に比べると胃への負担は軽くなります。
嘔吐症状が酷い場合や、飲み込む力の弱い場合など、口からの使用が困難な場合にも坐薬が使用されることがあります。坐薬のほかにも、貼り薬など、同じ成分の薬で症状に合わせて使用できるケースもありますのでご相談ください。

まとめると

次に、外用薬の中には、吸入薬という、吸って使用する薬もあります。

答えは

ぜんそく治療で使われる吸入薬の粒子の大きさは、約2.5マイクロメートルです。この大きさは、1ミリメートルの400分の1です。この大きさから考えると、お薬は肺の奥まで届くことになります。
最近の喘息治療では、気管を広げることよりも、気道の炎症症状を抑えることが重要と考えられています。炎症症状が残っていると、血液中の酸素の量も低下するため、炎症を抑えるステロイドの吸入は重要です。気管を広げる吸入薬は、一時的に症状が緩和するため効果があると思われがちですが、肺でのガス交換を効率よく行うためには、炎症症状を抑えることが重要になります。

答えは

マメ知識

PM2.5とは?

2.5マイクロメートルは、肺の奥まで届く大きさと説明しましたが、この2.5という数字、耳にすることが多かったのではないかと思います。
中国で深刻な大気汚染の原因となっている有害な微小粒子状物質PM2.5です。
2.5マイクロメートル以下の微粒子で、肺の奥まで届き、一部残留するため、様々な健康被害が出ると言われています。
PM2.5は、中国の大気汚染の例に限らず、たばこの煙やディーゼル車の排気ガスなどにも含まれているのですが、これらの微粒子による健康被害で共通していることに、雨の日の発生低下があります。
相模原市にお住いの方は、光化学スモッグ注意報を聞いたことがあるかと思いますが、雨の日に注意報が出ることは、ほとんどありません。
マスクは、口腔内を保湿して、これらの粒子が気管支や肺の奥に行くのを防いでくれます。また、咳などでウイルスが飛散する距離も短くしてくれますので、感染予防としてマスクの着用は重要です。

最後までありがとうございます

これで終わりです。
次は「くすりの副作用」です。
最後までありがとうございます。
公益社団法人
相模原市薬剤師会
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神奈川県相模原市中央区
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