夏から初秋の薬用植物
7月・8月・9月頃の夏から初秋にかけて見られる薬用植物をご紹介いたします。
ヤマノイモは別名自然薯ともいい、山野にふつうに生えるつる性の多年草で栽培もされています。
根茎(担根体)は細長く粘り気が強いため食品でトロロイモとしてお馴染みです。
葉(写真⑤)は三角状披針形で基部は心形で先は長く尖り、茎に対生につきます。
山野に行くと葉の形がよく似た同じヤマノイモ属でオニドコロ、タチドコロなどを見かけますが、葉のつき方が互生です。対生につくヤマノイモとの鑑別になります。
ヤマノイモは雌雄異株で、8月頃雄花序(写真⑥)は葉腋から直立した白い小さな花を多数つけますが、開きは少なくほぼ球形です。
ウコンは熱帯アジア原産で、日本でも沖縄や九州の南方の島々などで栽培されているショウガ科の多年性草本です。相模原市旧津久井でも畑で栽培しているウコンを見かけます。
根茎から巻くようにして長さ60㎝ほどの葉茎(偽茎)を伸ばし、厚みがあって両面つるつるとした深い葉脈のある大きな葉を互生につけます。
ウコンの根茎が局方の生薬名鬱金ウコンで、精油ターメリンのほかに黄色色素クルクミンを含有し、抗炎症作用や利胆作用があります。
根茎の皮を除いて乾燥し粉末にしたものが香辛料のターメリックで、カレー粉の黄色の主原料として用いられ、また沢庵やピクルスの着色料としても用いられています。
また健康食品として最も多く利用されています。
漢方では腫れ物の初期や打ち身・捻挫などに使われる中黄膏に鬱金末が配剤されています。
春ウコンは秋ウコンに比べ強い苦みと辛さがあるため食用には不向きで、生産量もあまり多くありません。